飯館の馬たちが語ること

ずっと通ってきている福島の飯舘村で、「牧場で馬がバタバタと倒れている」という話を3月末ごろから聞きました。原発事故以来、何度も通りかかっていた牧場で、本来なら「飯舘牛」というブランド牛になっていたであろうウシや「相馬野馬追」にも出ていた立派なウマが、線量計をかざすと10マイクロ以上もの数字が出る汚染環境で何とか生き延びている様子を見てきました。
バタバタ倒れるとはどういうことだろう、放射能の影響だとしたら大変だけれど、そう簡単に言えるものだろうか、放射能じゃなくても牧場主は大変だろう…。いろんな考えをめぐらせながら現場に行き、牧場主の話を聞き、専門家に会い、資料を集めて、最終的に20分ほどの映像にまとめてみました。

こんな映像をつくるのは初めてで、一眼レフの動画撮影に無料の編集ソフトという、まさに素人に多少毛が生えたようなやり方で、まったく恥ずかしい出来です。なので、特にどこかに売り込むということはしていません。しかし、この間にも断片的にネットや雑誌に情報が出回り続けていて、きちんとまとめたものをつくらなきゃという思いでコツコツ作業していました。

この3カ月の結論として、今のところ放射能の影響とは考えにくいです。せっかく20分見ていただいて、なあんだ、というか、何なんだよ! と言いたくなるかもしれません。でも、繰り返しますが放射能じゃなければいいというわけでなく、こうした白黒付けがたい問題がまだまだ福島の人たちを苦しめていると受け止めてもらいたいです。

家畜の被ばくについては、動画に出てくる東北大を中心としたプロジェクト(被災動物の包括的放射線量評価事業)で400頭近くが解剖されています(ただし馬はそのうち細川牧場の3頭。あくまで「解剖」の数で、すべての線量が詳細に調べられているわけではありません)。結果を出すにはまだ長い時間がかかります。ただ、その間に予防的な措置を取るべきことがあればしっかり訴えて措置をしていく、というのが今回の事故の教訓でしょう。もちろん「人」への影響を含めて、追い続けていかなければと思っています。

»馬の連続死は何を語るか-福島県飯舘村・細川牧場の記録

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