『なごやボランティア物語』刊行!
かれこれ4年前から関わっていた「なごやのボランティア史」編纂プロジェクトが『なごやボランティア物語』として一冊の本にまとまり、風媒社から刊行されました。
「慈善事業」「奉仕活動」と呼ばれていた戦後、伊勢湾台風の時代から高度経済成長の裏で進んだ高齢化への対応、障害者の社会参加の時代、そしてボランティア元年と呼ばれた阪神・淡路大震災、東日本大震災…。それぞれの時代に「何とかしなきゃ」と立ち上がった名古屋の人たち25人への直接取材と、歴史資料や団体の記録などから1つの「物語」をつむぐ作業でした。
名古屋でボランティア情報誌「ボラみみ」を発行する織田元樹さんを中心に、市社会福祉協議会の歴代の担当者、大学の先生方、そして昔も今もバイタリティーあふれるボランティア・NPO業界の面々が毎月集まって、あーでもないこーでもないと議論する場に立ちあえました。個人的には災害分野からしか知らなかったこの世界を、福祉や子育ての面から重層的に見ることができて、目からウロコが落ちるばかり。取材は手分けして進め、最終的に僕が全体をまとめさせてもらいましたが、取材対象者も取材者も持っている熱い思いをどう残し、かつこれからの若い人たちにも読んでもらえる文章にするかで大いに苦心しました。
一方で「いかにもボランティア」な本にはしたくない、という思いも共通してあり、それを理解してくれた風媒社の劉さんの力で、素晴らしい表紙にしてもらえました。
この絵の作家さん(荻下丈さん)のことはまた長くなるので別稿にしたいですが、真ん中の男の子が伸ばしている手が、助けを求めている手にも、誰かを救おうとしている手にも見えて、グッときます。ぜひ手にとって見ていただきたいです。
とはいえ、まだコロナ禍で本を売るのはむちゃくちゃ大変です。書店にも並ぶ予定ですが、とりあえず以下の「ボラみみ」さんのブログにある手続きで申し込んでいただければ。どうぞよろしくお願いいたします。
https://blog.canpan.info/boramimi/archive/2198